村上春樹の「一人称単数」はつまらない?【読書感想】

先日、村上春樹の短編集「一人称単数」を購入してみました。
個人的には村上春樹の作品を読むのはこれで三作目です。今回は読み終わったので、個人的な感想。レビューをこの記事で書いてみようと思います。

村上春樹の「一人称単数」について

「一人称単数」は8作品が収録されている短編集となっています。

  1. 石のまくらに
  2. クリーム
  3. チャーリーパーカー・プレイズ・ボサノヴァ
  4. ウィズザビートルズ
  5. ヤクルトスワローズ詩集
  6. 謝肉祭
  7. 品川猿の告白
  8. 一人称単数

ボリュームとしては、一日あれば読み終わる程度で、比較的読みやすい作品となっています。
私は仕事終わりに2日かけて読み終えました。久々に活字に触れるという方でもハードルは高くないと思います。

「一人称単数」を読んだ感想

ということで、実際に今回の短編集を読んでみた個人的な感想を述べたいのですが、本作については村上春樹が好きな方、村上春樹の考え方、思想に触れたいという方にはおすすめの作品なのかなと思いました。
ちなみに私が読んだことがある村上春樹の作品は「神の子どもたちはみな踊る」、「アフターダーク」です。加えて村上春樹の作品ではないですが、村上春樹にて翻訳が行われた「ライ麦畑でつかまえて」を読んだことがあります。

それらを含めて以前に読んだことある作品と比較をすると「一人称単数」はよりストーリー性よりも村上春樹という人物が投影されて書かれているように思える作品が多く、より村上春樹の考えたや表現について触れていくことができる作品であるように思えました。

ちなみに、この短編集のなかで私的に好きな作品は「ウィズザビートルズ」で、この作品については自分自身が望んでいた村上春樹の作品が描かれているように思っています。この作品については過去の村上春樹の作品がフィットしている方にもストーリー性があってオススメです。

もちろん他の作品にもストーリー性はあるのですが、村上春樹節というか、なんとなく村上春樹という人物が描かているだなという描写が感じ取れます。
そういったことを含めると「一人称単数」は短編集というよりは、どちらかというと村上春樹のコラムに近いような作品かなと思います。

読んでみて感じたのは面白かった。つまらなかったという感想よりも村上春樹ってこういう考え方を持っているんだ。とか、こういう切り口で表現をするのが得意なんだな。というなんだか不思議な感想になります。
ただ、ストーリー性を求めている方が本作を読んだら、期待のいく満足は得られないのかなと思われます。

最初に読む村上春樹のオススメ小説

ということで、次は同様に個人的な考えですが、村上春樹を初めて読むにあたりオススメの小説を挙げたいと思います。
記事の冒頭でも書いている通り、私自身、村上春樹の作品は多くは読んでいないのですが、私的オススメは「神の子どもたちはみな踊る」です。
オススメの理由としては、短編集のため読みやすい。どの作品も村上春樹作品の空気感を非常に感じることができるためです。
ちなみに、短編集の中には表題となっている「神のこどもたちはみな踊る」も含まれているのですが、こちらにはついては映画化されているようなので、映画が好きというかたはそちらから入ってみるのも良いかも知れないですね。

ちなみに、神のこどもたちはみな踊るを読んでみて、作風が好きだと思ったら、アフターダーク。表現は好きだけどもう少し洋書の雰囲気を楽しみたいう方であれば「ライ麦畑でつかまえて」に入るのも良いかと思います。
アフターダーク以外にも「海辺のカフカ」や「ノルウェーの森」に入るのも良いかもしれないですね。

まとめ

ということで今回は村上春樹の作品「一人称単数」を読んだ感想を書いてみましたが、今までよりも村上春樹の作品なかでは感じ取れる観点が異なっていて、良くも悪くも違和感のある作品なのかなという印象でした。
いくつか村上春樹の作品を読んでいて好き。という方や久々に活字に触れてみたい。ということ方にはおススメですので、よかったら読んでみてください。